フェノールフォームは、フェノール樹脂に種々の変性を行い、発泡硬化させて得られたもので、発泡プラスチックの中でも、熱的・化学的に最も安定した性質を有すると共に優れた断熱性を有します。1940年代初め、欧州において世界ではじめて商業生産され、日本では1960年頃から生産が開始されております。「難燃性」「耐熱性」「断熱性」「極低温特性」「耐薬品性」などの優れた特性を活かし、「工業資材」「生け花の剣山」用途の他、近年は、住宅及び建築用断熱材として急速に普及しています。
　 フェノールフォームには、「不織布」「不燃紙」「化粧紙」「アルミ箔」「金属箔」などを面材とするラミネートボードと、「せっこうボード」「木毛セメント板」「ロックウールボード」「金属板」などの他材と複合した複合成形パネル及びパイプカバーに使用される筒状品があります。
　 優れた断熱性能と防火性を併せもつフェノールフォームは、省エネルギーに貢献し、かつ火災安全性、経済性に優れた断熱材料を求める社会的要求を十分満足すべき素材として、今本格的普及期を迎えています。

フェノールフォーム協会は、地球温暖化防止の観点から業界内でいち早く脱代替フロン化を目指し、一丸となって研究開発に取り組んできました。高性能フェノールフォームは、経済産業省（当時通商産業省）「エネルギー使用合理化技術開発補助事業」により平成１１から４年間にわたる技術開発の大きな成果で、高性能断熱材分野では業界に先駆けノンフロン発泡製品の販売を開始いたしました。